猫好きにはたまらない! 府中市美術館「フジタからはじまる猫の絵画史」に行ってきました!2025年9月20日(土)~12月7日(日)

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フジタからはじまる猫の絵画史

府中の森公園の緑に抱かれた府中市美術館で、猫をめぐる名品がそろう企画展「フジタからはじまる猫の絵画史」が開催。会期は2025年9月20日(土)~12月7日(日)。開館は10:00~17:00(最終入場16:30)、月曜休館(祝日の場合は翌日休館)です。

企画展の一般料金は1,000円(団体800円)という設定で、同チケットで常設のコレクション展も鑑賞できます。

目次

公式図録は買いの一冊!!

猫好きとしてはとにかくたまらない!! 展示会の作品を集めた公式図録

2025.9.20に開幕した府中市美術館の企画展で、美術好き、猫好きとして時代を越える1冊

見どころ

・藤田嗣治(ふじた つぐはる = レオナール・フジタ)を中心に、日本の洋画家による猫表現をたどる構成。前史として西洋絵画が描いた「猫」も登場。
とにかく、猫を愛した画家たちの眼差しと、猫のかわいさが全面に出ている展覧会。
また、かわいさだけでなく、画家たちのスタイルや時代感覚と猫がどう響き合ってきたかを、作品の並びから実感できる展示です。

・ショップでも「猫グッズ」が充実。藤田の猫のキーホルダーなど、全部かわいくて猫好きにはたまらない・・

・同時期にコレクション展「25年目の名品選」や、公開制作プログラム(笹岡啓子)が走っており、一度の来館で複数のプログラムを体験できるのもポイント。府中市美術館公式サイト

感想「フジタからはじまる猫の絵画史」

入ってすぐのエントランスに少女と猫

行ってきました!府中市美術館の企画展「フジタからはじまる猫の絵画史」(2025年9月20日〜12月7日)です。

藤田嗣治を起点に、日本と西洋で“猫”がどう絵画の主題になってきたかをたどる展示で、会場に入るとまず、日本では江戸期から猫が浮世絵や風俗画に幅広く登場してきた歴史を実感します。「猫」が日本で長く“絵になる存在”だったことがわかります。

一方、西洋には長くジャンルのヒエラルキーがあり、宗教画・歴史画が最上位、動物画や静物画は相対的に下位とみなされてきました。これは「動物だけでは芸術にならない」と断言するものではありませんが、制度的評価に差があったのは確かで、その“温度差”が展示の背景として腑に落ちました。

象徴の読み替えが際立つのは、マネ《オランピア》の右端にいる黒猫です。ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》の“貞節”の象徴である子犬に対し、マネは当時パリで通称となっていた「オランピア」という娼婦がモデルとされていの横に黒猫を置くことで、近代の感性に即した挑発的な意味を帯びさせました。

エドゥアール・マネ《オランピア》1863
右端に黒猫がいます。(展覧会にはこの油絵作品ではなく、エッチング作品が展示されています。)

エドゥアール・マネ《オランピア / Olympia》1863
Photo: Pixel8tor (Pixel8tor), via Wikimedia Commons
License: Public Domain Mark 1.0

ボナールは日常の室内に猫を差し込む名手で「テーブルのしたの 黒い猫」もまた、日常の一コマを切り取っていました。“家猫”の気ままさと親密な空気が軽やかに伝わってきました。

藤田嗣治は、パリで“乳白色の肌”の裸婦によって名声を確立しつつ、女性像と猫をしばしば同一画面に置いた画家としても記憶されます。パリ市立近代美術館の作品解説でも、真珠のような白い肌をもつ裸婦像が藤田の代名詞であることが明示され、彼が東西の技法と主題を架橋した存在だとあらためて感じました。

なかでも《Cat fight(猫の喧嘩)》(1940)は、ナチスによるパリ占領直前に制作されたことを踏まえて観ると、唸り合う円陣の猫たちが社会の緊張や争いの寓意として迫ってきます。会期・年代を確認してから作品に向き合うと、画面の騒がしさが時代のざわめきにも重なって感じられました。

彫刻作品もあり、朝倉文夫の《吊るされた猫》は、ぶら下げられた瞬間の猫の体重と彫刻の重さが重いのか軽いのかよくわからない作品です。

猪熊弦一郎《猫と食卓》(1952)は、日常の食卓に猫が割り込む瞬間のスピード感をさらりと掬い取っていて、戦後の“猫の油彩”の魅力が詰まっていました。マティスにも大きな影響を受けているようで、どことなく表情や構図、色使いにマティスの面影を感じました。

こうして見ていくと、日本では猫が古くから生活文化の延長で“絵になる”主題として愛でられ、西洋ではジャンル序列の中で位置づけが揺れながらも、マネやボナールのように近代以降、意味や視線の実験場として活躍したことが、会場で立体的に結びついて見えました。日本と海外の“あいだ”を藤田が往還し、日本と海外をつなぐ役割をはたしていたのではないか──そう感じる展覧会でした。

館内・ミュージアムショップも充実

展示室は2階にまとまっており、1階には誰でも使えるアートライブラリーや市民ギャラリー、ミュージアムショップやカフェが配置。公園に面した抜けの良い動線で、鑑賞前後の余韻も心地いいつくりです。

ミュージアムショップは美術館刊行の図録・ポストカード、所蔵作家のクリアファイル、月光荘のスケッチブックなど、展覧会と連動した書籍やデザイングッズが並ぶ。「その時しか出会えない品」も多く、鑑賞後に立ち寄る楽しみ。

ショップは大賑わい!! 我先にと猫アイテムをチェック
猫グッズたくさん
このキーホルダーかわいいなあ
藤田のポストカードも豊富

ショップ営業時間:10:00~17:00(美術館の開館日に準拠)
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/goriyou/shop.html

カフェでは「猫とフジタのプレート」そのほかスイーツ!

猫好きとしてはとにかくたまらない!! 展示会の作品を集めた公式図録

基本情報「フジタからはじまる猫の絵画史」

フジタからはじまる猫の絵画史
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会期:9月20日(土曜日) から12月7日(日曜日)まで/休館日:月曜(祝日の場合翌日)
開館時間:午前10時から午後5時(入場は午後4時30分まで)
観覧料:一般1000円、高校生・大学生500円、小・中学生250円
    ※常設(コレクション展)もチケット内でみれます。
チケット:基本は当日、館内の観覧券売場で購入です。企画展も原則ここで販売され、クレカや電子マネー等のキャッシュレス決済に対応しています。

所在地:東京都府中市浅間町1-3(府中の森公園内)

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